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日々是勉学


by rotarotajp
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煮る

 インドのSENSEX株価指数がブチ切れました。17%上昇で値幅制限に引っ掛かって取引停止。最近にないお目出度い話です。日本株はドカ落ちだった今日ですが、インドは選挙で与党圧勝後の御祝儀大盤振る舞い。

 さて、今日は煮殺す、ということを考えました。
 中国史を読んでいるとよくでてきます。「あいつ、にくい奴!煮殺してしまえ!」と、皇帝が命じる。「ええ、煮るんですか!」と読者のこちらは思うわけですが、そこの描写はそれっきりで、次の場面に進んでしまう。
 決して大事ではない日常?なんです。
 西洋でも死体を煮るというのはあったそうです。うろ覚えですが、十字軍に参加して亡くなった王の遺体を手早く白骨にする為に、死体を煮て肉を溶かした、なんて記述がありました。
 刑罰でも「煮る」はあったかもしれません。煮立った油で・・・ってどこかで読んだような気もします。
 とにかくこの「煮る」
 我ながら速球ど真ん中で、実に気色悪い。
 最初から熱湯ならまだしも、残酷さの演出が眼目だったでしょうから、やはり水から煮たんでしょうねぇ。
 ぐらぐらぐら・・・
 日本にも釜茹でというのはありまして、石川五右衛門なんかが有名です。
 煮えたぎった湯に手を入れて火傷一つなければ、という神明裁判もありました。事故は色々あったでしょう。無罪なんだからと本気で手をつっこんで大火傷とかネ。そりゃ火傷しますって。

 「走狗煮らる」という言葉があります。
 古代、犬は煮て食べたのかしら。
 煮るよりは焼の方が香ばしそうな・・・・ま、どっちゃでもいいですが・・・
# by rotarotajp | 2009-05-18 21:03 | 私事

N●Kの

 金融危機に関する番組を今観るともなしに観ていたのですが・・・
 なんという倒錯・・・・
 アメリカのマネーにマネーを運用させてブっとんだ政策失敗の責任の一端は、末端でFX取引をしていた主婦にあるという、驚天動地のオチネタに開いた口が・・・しかも刑事と主婦が和気藹々と・・・
 そりゃ夏か暑いのも冬が寒いのも個人の受け止め方の問題です。地球が自転しているのも月がお空に浮かんでるのも、自分がそれと認識しているから。でも普通、それはあまりに普通のことなので、問題とはいいません。
 いやぁ、目からウロコが落ちました。
 実に素晴らしい。きっと事故にあうのも泥棒に入られるのも、ナイフで刺されるのも、N○Kが番組的に表現すると、若干自分のせいなんですネ!そりゃそうです。そりゃそうですけど、とりあげる必要もないほどの「若干」ですわな。きっと。・・・N○K以外では。
 と、思うのだけれど・・・ホントは違うのかな・・・・自分の常識が信じられなくなるのが怖いですな。こういう番組みると・・・・
# by rotarotajp | 2009-05-17 22:02 | 私事

ヴィクトリア

 春先はナントヤラといいますが、また最近大変に欝々として何事もはかどらないので、ながらく箪笥の肥しになっておりました、ひさしぶりのゲームを引っ張り出してプレイ。
「ヴィクトリア沈まない帝国」というRTSであります。

http://www.cyberfront.co.jp/title/victoria/

 とりあえず初心者でも楽にこなせるベルギー王国を選択。
 マダガスカル島とシャム王国を併合してあっけなく終了。
 ドイツ帝国の勢いが凄くて身動きできませんでした。英蘭との友好関係を重視しつつ、外界に打って出るつもりが、なんとなく不発。

 欲求不満が溜まったのでお次のプレイは日本で開始。

 日本を選ぶと明治維新までは非文明国扱いなので、ほとんど見ているだけですネ。
 この時代の識字率の低さの設定は史実に反する!と呟きつつ・・・あと朝鮮半島の資源の豊富さも事実からかけ離れているぞ、コラ!などと憤りつつ・・・・まあ、そこはゲームなので・・・欧州方面はしっかり設定してある臭いんだけどなぁ・・・。

 明治維新イベントを経て文明国に格上げされた途端、あらかじめ用意してあった軍を朝鮮半島に上陸させて併合。これはもう常道ですな。他に進むべき道がありません。

 このゲームのスゴイところなのか限界なのか、じゃあ朝鮮半島併合の次は何をしようかというと、アメリカやロシアは巨大すぎて手を出せないし、アジアの大半は列強の植民地となっておりますので、非文明国扱いの清にちょっかい出すしかない。
 史実通りです。
 ゲームやって悟ったような事を言うのも何ですが、歴史というのは必然の道を辿ってきているのかもしれないですネ。もっとも外国の方の中には国力が一気に化けるこの「明治維新イベント」をチート扱いする人も多いんだそうですが・・・

 こちらが極東で奮闘してる間に欧州方面はドイツ帝国の一人勝ち。ポーランド・ロシアを蚕食して広がり、念願の東方殖民を達成。ロシアはいつの間にか大英帝国の衛星国に・・・哀れ・・・。イタリア半島は統一されず、スイスはオーストリアに東半分齧られてマス。

 ここまで来るともう何も変わらないだろうし、面倒なので途中終了。
 日本帝国の版図は朝鮮・満州からモンゴルにいたる内陸型で、我ながら美しくない・・・。日本海/黄海・渤海を包み込む二重海洋帝国にしたかったのだけど、清がどうしても遼東半島を手放してくれませんでした。
# by rotarotajp | 2009-05-17 20:08 | ゲーム

むし

 その昔、人間の身体の不調は虫が起こすものだという考えがあったそうです。
 虫と一言でいうとわかりにくいですが、これは寄生虫のことです。昔は肥料に人糞を使いましたから、寄生虫は割りとポピュラーなものでした。ポピュラーどころか、世界で一、二を争う寄生虫大国であったと論じる人もおられます。
 体調が悪くなると、便の中に蠢く白い虫がいる。こいつが悪さをしているに違いない!となるわけです。とにかく身体の不調は何でも虫のせいにされた。歯が痛くなると虫歯といい、機嫌が悪くなると虫の居所が悪いという。腹が減れば腹の虫が鳴く、夜泣や癇癪は疳の虫、足が痒くなりゃ水虫、なんでもござれです。有名な恙虫病というのもありました。
 それだけパワーのある虫ですから、これは神様の仲間だろうと考えられていました。何か悪い行いをすると、神様の指令を受けた虫がその人の中で悪さをする。だから虫に関係する祭事が結構多いのだといいます。虫のご機嫌を取ったり、追い払ったりするためのものです。逆に普段からいい行いをしていると、未来の事をフともらしてくれたりすることもある。これが「虫の知らせ」という奴です。
 で、なんで突然虫のはなしやねん?というと、
 テヘヘ、なんか書こうと思って立ち上げたはいいが、何もネタがなかったからデス。
 そろそろ暑くなり始める昨今、きっと皆さまにおかれましても寄生虫の噺なぞに親しんでみたかろうと・・・
 何事も都合よく解釈することを「そんな虫が良い噺があるかっ!」
# by rotarotajp | 2009-05-13 21:14 | 私事

冴え

 秦の政が戦国諸王を征して始皇帝を名乗ったのは三八歳の時だそうである。
 それまで皇帝という言葉は世になかった。政が臣下に諮り、自ら定めたといわれている。
 諸王を屈服させと簡単にいうが、これは大事業だ。今なら世界の統一に等しいような事を、秦王は不惑前に成し遂げた。なるほど、生まれついて秦という大国の貴種であったことが政の利点としてあったかもしれない。しかし、これを現代に置き換えて、例えば少年時代にアメリカの大統領になったとして、世界を統一できる人物が果たして出るかというと、やや疑わしい。

 偉人というのは例外なく若い。
 それも驚くほど若い。

 以前にも触れたが、太陽王はティーン・エイジャーの頃、最も強く輝いた。勇壮な建築のほとんどは、彼の青年時代に計画されたものである。若気の至りで起こした、意味のない戦争が最も人民の心を捉えた。壮年となり、老年期に入ると王の魅力は急激に失われ、少年時、あるいは青年時にあれほど人に愛された王が亡くなった時には、広く歓呼の声が満ちたといわれる。
 先年、NHKで新撰組がとりあげられた。登場人物が若すぎると苦言を呈する向きがあったそうだ。
 実際にはもっともっと若く見えた人がほとんどであったろう。
 あの頃の日本人は一般に背が低く、童顔であったという。今の人に比べれば、中学生のような背丈と表情であったのではないだろうか。おそらく精神年齢も、学問における訓練も同様である。

 老成がことを為す、ないし、学習によって得た知識が人を助ける、というのは迷信である。実際は逆の場合が多いようだ。若く、何も識らず、ただ持ち前の、野生の冴えを持つ人物が歴史を変えてきた。(何も識らず、というのは積極的な無知が、という意味ではない)
 勝海舟は氷川清話の中でこれを牛刀と小鋏に例えている。一読すると別のことを言っているようだが、結局はそういうことだ。
 老いて事を成した人の場合は、若い頃ならもっと成功したが、なんらかの制約があってそれが果たせなかったと考える方が自然であろう。思うに、自分を縛るその制約の中に奔騰する激しい若さを温存したのだ。

 人の能力は戦時に最も顕著に現れるという。
「冴え」が、つまり雑余を排した実力が、モノをいうからだろう。
 曹操は若い頃「治世の能臣、乱世の奸雄」と評されて(月旦)ニンマリと微笑んだそうだ。
 乱世になると化け物になるがごとき語感に、普通の人ならカチンときてもおかしくないが「冴え」を持つ人物であった曹操は、この的を得たお世辞に気をよくした。月旦で知られる許氏はお世辞の名人であったのだろうと思う。それも相手をキチンと判断してお世辞を言った。

 ゲーテが若きウェルテムの悩みを書き、ファウスト初期の構想をあたためたのは20代の頃だ。この人は以後も色々と書き散らしているが、最も世に知られているのは上記の二篇であると思う。(ファウストの完成?と出版はだいぶ遅くなる)

 最近、立川団春著の「赤めだか」を読了した。
 「冴え」がないために師匠に嫌われ、いらぬ苦労を重ねて、ついに自分を「赤めだか」と評する諦念の書と読んだが、ややヒネた内容なので御本人が何を思って書いたかは不明だ。「冴え」は「才能」や、その「氏素性」と同義語であるから、後天的な努力ではなかなか補えない。そのことだけは黒々と太筆で明記してある。その嫉妬にもだえる半生記だ。
 もともとない才能は努力で補えないどころか、それを求めて葛藤した末の挫折が、本人の性格に深刻な屈託を与えるようである。
 昔から言い尽くされてきたように、名将は生まれついて名将である。悔しいが銘木は双葉より芳しだ。覇者は覇者の家に生まれなくてはならない。「冴え」は誰に教えられるモノでもない。

 教えられて名将になれるなら、偉人になれるなら、この世は名将偉人で溢れている。
 始皇帝をとりあげた一書を読了して、そう思った。
 なんとも味気ないが、当方に始皇帝になる才はない。
 まあ、悲観するにはあたらないだろう。きっと天下統一などという大業ではなく、何か他の方面に「冴え」があるだろうから。
 仮にまったく「冴え」とは無縁であったとしても、歴史はそうした人物の骸で満ちている。当方が最初の一人というわけではない。また「冴え」があっても、ナカナカうだつが上がらず、高い青空を見上げて溜息をついた英雄も大勢いたことだろう。

 そうそう、蛇足になるが、あの項羽は二十代で身を起こして三十代には滅びていた。活躍したのは僅か数年。その数年の間に、二千年の青史に名を残す残虐を行った。殺された無数の人々の顔はかき消された。しかし項羽の横顔は今も輝いている。ホンモノの「冴え」は僅かの間の発現であっても歴史に残る。
# by rotarotajp | 2009-05-12 18:48 | 私事