日々是勉学


by rotarotajp
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

ドイツの都市と生活文化

と、いう本を読んでいます。ごく最初の方に、ヨーロッパの富はストックで、日本の富はフローだという指摘があり「おもしろい表現だなぁ」と、考えさせられました。なるほど例えばヨーロッパの建物は礎石がローマ時代だったりしますが、日本にはそういうものがありません。日本人は溜め込まずに流すのが好きですから「宵越しの金は持たない」とか、何事も「水に流す」とか、果ては「捨てられるモノはすべて捨てて身軽になろう」とか言います。
毎日商品のシャワーを浴びているように、とにかく日本は品物が豊富です。その広告も凄まじい。その結果として、(わが身を考えれば)モノの奔流がないと満足できない鈍感さが身についてしまっています。あるいは「捨てないと新しいモノが買えない」という歪んだ構造になってしまっているのかもしれません。
先日、住宅販売の友人と話していて「日本の住宅の寿命は10年、うまくいけば30年」という会話で盛り上がりました。普通、家を買おうかなどと考えるのは30代です。一括で買えるような人は少ないでしょうから、30年ローンなぞを組んで買います。それでやっとローンを払い終わったら、もう定年です。ローンを払い続けて、家の修繕費を貯める余裕などない。でも家はあちこちにガタがきていて、本格的な修繕が必要となっているわけです。
「こんなイイカゲンで不幸なことはないなぁ」と会話がひとしきり回ったところで「しかしなぜか欧州の家は長持ちするよなぁ」とRotaが言うと、友人は顔をしかめて「あっちは地震が少ないし、湿気もないから」と答えました。しかしそれはRotaが考える処では、一部正しく、一部間違っています。欧州の人間も初めから長持ちする家に住んでいたわけではありません。彼らは自分の風土にあった建物のあり方を研究したのだと思うのです。石の建物も、昔は崩落することがあったでしょう。たとえばアーチやバットレスといった技術を発見し、素材を吟味し、そのような研究の成果によって今に至っているのであって、決してそれはただ「風土」に恵まれたからだけではない。そして欧州の一部地域は実際に地震が多かったりもするのです。以前にも書いたように、そうした地域の石積みの家では鉄の締め付け具を用いて崩落を防いでいます。
Rotaは、これは「ストック」と「フロー」の文化の差、だと思うのです。
今は新素材もあり、人類が海中へ、宇宙へ、月へ行ける時代です。なぜ30年しか持たない粗悪品を日本人は買い続けるのでしょう?他にも同じような例は沢山あります。不当に高い車検代で無理やり車の需要を掘り起こすやり方も、その一つです。流さなくてはならないから、強引にでも流す。誰も豊かにはならず、ごく一部の人だけが利益を得る仕組みです。十数年前の日本の中古車が海外で現役で走っている姿を見て、いったい故意によらざる「整備不良」の事故は実際にはどれぐらいあるのだろう、と思いました。車検なぞ、結局は某社が十数年続けたリコール隠しも見破れなかったではないですか。
日本は確かに豊かな国です。それは決して卑下すべきものではありませんが、その一部は人間の幸福の追求を犠牲にしたものであることも考えるべきでしょう。今のこの「生かさず殺さず」は、実際、江戸時代そのままのシステムに思えます。
[PR]
by rotarotajp | 2005-09-08 15:39 | 時事