日々是勉学


by rotarotajp
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同好の某氏

 15世紀~18世紀前後の欧州の兵制が好きなどという変わり者は滅多におりませんで、同好の某氏を得たのは何とも心強いことであります。(AOEでせっかく同じクランになりながら最近はBF2に浮気してトント御無沙汰です・・・(´Д`υ))

 さて、国家に必要とされるのは常備軍か傭兵軍か、議論の分かれるところですが、特にマキャベリの時代で、というなら、フランスのような農業大国にして初めて数万の軍隊が持てるので、イタリアのような小邦分立の地域では空論であったでしょう。そも生半可な市民軍をつくったところで、戦争のプロである傭兵軍に立ち向かえたとは思えません。

 戦争一般に関し、これは以前にもチラっと触れましたが、文春新書「戦争学」松村:著が非常に蒙を啓かれる部分が多く、良書であります。読んだのは随分前ですが、一回紛失して購入しなおした経緯もあります。何がいいかというと「なぜ戦史を研究するのか?」という根本の部分から始めている点で、どちらかというと人間や政治の動きに関心が深かった拙者に、戦争もまた人間学の大事な一部、文化なのであると再認識させてくれました。著者は戦後日本から(意図的に)失われた「戦争」という知識を、極めて平易な言葉で初歩の初歩から解説してくれます。ニッポン語の本で、これだけ戦争全般を俯瞰した本は、他にないかもしれません。お値段もお徳用で確か1000円でお釣りが来てたと思います。クラウゼビッツ、ジョミニ、ヴォーバンの城塞論、孫子等々も面白いですが、まずこの解説本で脇をかためておくと、面白さが倍増します。

 追記:ただし、同書の18世紀に対する取り扱いには、拙者、不満があります。同書は18世紀を「昏睡する陸軍戦術」の時代と規定し、グスタフ王以後の戦術進歩が滞った世紀としていますが、異論がありやす(´・ω・`)ノ。これまた以前にも指摘しましたが、フェリペ2世の時代には傭兵に毛が生えた程度、四万の軍で覇権が握れました。ところが太陽王の時代にはそれが二十万にも、三十万にもなった。今日見られるような軍のマス・コントロール技術はこの時代に生まれたといってよいのだろうと思うのです。(軍服、階級、国家による保障制度等々)軍の巨人化は、そのままナポレオンの市民武装国家に結びつきます。グスタフ王当時の素朴な軍制では、おそらく不可能な事で、この17世紀後半から18世紀にかけての時代こそ、欧州とその他の地域(中東、アジア、極東)を決定的に隔てた「発明」の世紀であったろうとRotaは考えています。太陽王の将軍たち、オイゲン公子、そしてジョン・チャーチルらの活躍がなかったなら、大規模な国軍は生まれず、ナポレンも誕生せず、しこうしてクラウゼビッツなども生まれ得なかったでありましょう。
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by rotarotajp | 2006-08-09 18:43 | バロック