日々是勉学


by rotarotajp
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人種云々に関する私見

 さて、大戦中、日本が選りにも選ってドイツと同盟を結んだ事は、今から考えれば毒のきいた歴史の皮肉でありました。
 なぜ日本は、日本人を猿扱いする人種論者と同盟しなくてはならなかったのでしょう?なぜ日本の世論はそのことに反発しなかったのでしょう?
 当時「我が闘争」の邦訳本からは問題となる章が削除されていたとか、親ドイツ主義者が情報を隠蔽したのだとかいいます。しかしながら、それだけで説明するには、少し弱いように思うのです。
 ヒトラーの人種観が日本で軽くいなされた背景には、以下の事柄があったと思います。
 当時、人種差別観念はドイツに限ったものではありませんで、欧州人一般の感情でありました。有色人の国で白人国に戦争で勝った、あるいは経済で互角の力を持った、などというのは富国強兵を合言葉に日露戦争で辛勝をあげた日本一国があるぐらいでありました。
「人種に優劣はない」とする証拠がない以上、有色人側から白人の偏見に示せる有効な反論は、当時まだなかったのであります。

 第一次大戦に敗戦したとはいえ、まがりなりにもドイツは欧州のトップランナーの一人でありました。ヨーロッパの学者は自らの「優秀さ」の理由を「人種」に求めたのでありまして、1930年にナチ党から議会に提出された国民保護法「有色人との混血により人種の劣等化とドイツ民族の腐敗に寄与することを敢えてしようとする者は、民族反逆罪」(講談社現代新書「ヒトラーとユダヤ人」)云々も、一般科学界の裏付けがないとは言い切れないものでありました。

 ちなみにこの状況は現在も変わっていません。G8参加国中、有色人の国家は日本だけなのであります。経済先進国と言われる国の中で、有色人の国はやはり日本だけです。
 日本が失敗すれば、有色人の白人に対する主張(人種に優劣なし)は、やはり危機を迎えることでありましょう。キリスト教圏やイスラム教圏では、今も進化論を否定する人が多くいることを忘れてはなりません。以前にも指摘したように、創造論は容易に人種優劣論に発展することでしょう。

 三国同盟当時、特に目くじらたててヒトラーの人種論を責めたてるだけの「足場」が日本にはありませんでした。ドイツとではなく、イギリスと同盟を結ぶにせよ、同程度の偏見は存在していたものと思われます。
 しかしながら、戦争末期にはユダヤ人の大量虐殺によって人種憎悪の見本とまでなった国と、白人種の優越を打破しなくてはならなかった新進有色人国家の日本が、ポスト帝国主義の世界を定める大戦争の最中、結果として同盟を結んでいたという、ねじれた関係は、現在も先の大戦の解釈を困難にしているように思われるのです。

私見でありました(´-ω-`)
思いついた事をダラダラ書くのは気分がいいですな。
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by rotarotajp | 2006-08-27 18:52 | 時事