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日々是勉学


by rotarotajp
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Apocalypto

 ずっと観たかったメル・ギブソンの「アポカリプト」(Apocalypto)やっと観れました。
 Rotaはとてもいい映画だと思いました。
 一般に内容空疎、時代考証がいいかげん、白人至上主義的と、この三点の批判があるようです。

 内容空疎、は観た人の印象なので置いておいて・・・

 史実に合っているかは専門家じゃないのでわかりませんが、例えば日本人が映画「パールハーバー」や「ショーグン」「ラスト・サムライ」を観て「なんじゃこりゃ!」と怒り出すのと同じように、扇情的な部分を拡大視しているところは絶対にあるのだろうな、と思います。

 白人至上主義的というのは、要するにラス・カサスばりの文明破壊のシーンがないことへの批判でしょう。その辺に「なんだそりゃ?」と欲求不満を感じる人が多いのはとてもよく理解できます。例えるならナチスの映画を撮っておいて1938年前後でエンディング・ロールを流すようなものです。ギブソン自身アポカリプトを「新しい始まり」と捉えていると発言しているようですが・・・虐殺のはじまりが新しい始まりとは・・これいかに?

 全体に真摯で、情熱的な映画で、メル・ギブソン的です。
 舞台はマヤじゃなくてもよかったのではないでしょうか。映画のテーマは人間=肉。肉である人間がいかに生きるか、宗教とは何か?人は肉である以上の何ものなのか?と、いった辺りなのだと思いました。カタログ上は「文明の崩壊」ってありますけど・・・そこまで広い漠然としたものはないように思います。創った本人の意図とは違うのかもしれませんがネ・・・
 こんなテーマを扱えば普通筋臭くて食えない料理になるのに、メル・ギブソンの体臭が漂って、ちゃんと娯楽映画になっています。「パッション」も個性的でいい映画でしたし、ギブソン氏には巨匠の風格があります。
by rotarotajp | 2008-06-11 21:22 | 私事