日々是勉学


by rotarotajp
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百鬼

 危機一髪の時に、桑原桑原、という。これは天神さま、すなわち菅原道真公の領地が桑原という所であった為だそうだ。ここはあなた様の領地ですよ。だから祟りを為さないでくださいネ、という意味らしい。

 妖怪悪鬼の類を考えながら書いている。

 日本の悪鬼の大将といえば崇徳院さま。
 都の帝を恨み、生きながら悪鬼となられた。
 亡くなられて白峰に葬られようとする時、その骸を納めた棺が不思議な怪異を起こしたといわれている。
 誰が触ったわけでもないのに自然に揺れ動き、棺の隙間から真っ赤な血が吹き出たのだそうだ。

 その悪鬼、ないし大天狗の一首で有名なのが
瀬を早み岩にせかるる滝川のわれても末にあはむとぞ思ふ
と、なんとも切ない恋歌。

 酒呑童子。
 これも有名な悪鬼だ。大江山を根城に美女をさらい、飽きてはその肉を喰らう。日本の化け物としては珍しいスプラッタ・タイプ。源頼光とその四天王に退治された。呪いだ、恨みだ、という背景がないので、どこかかわいらしい。退治するのに毒酒を用いた頼光一行の方が悪に思えなくもない。

 四谷怪談。
 日本人は何よりこれが怖い。少なくともボクはこれが怖い。
 毒に落ちた緑の髪を握り締め、立ったまま絶命するお岩さんの恨みなぞ、字面を読んだ途端に「南無阿弥陀仏!!」と叫んでしまう。悪鬼の極北といってよいだろう。
 そういえば日本人の身体には南無阿弥陀仏が染みこんでいる、といった落語家がいた。
「普段はキリストはんを信心していなさる人でも、いざという時、思わず口をついて出るのは南無阿弥陀仏です」
 これはそうかもしれない。
 南無妙法蓮華経~ではちょっと長すぎるし、いざという時パっと出すような勢い、滑らかさが言葉にない。ナムアミダブツ、は言葉に引っ掛かりがなくて、何となく言い易い。

 キリスト教の人は、ホントはアーメンとでもいうのかしら。
 ボクにはエクソシストの神父さんのように「悪魔よ立ち去れ!」というほどの度胸はない。
 ありがたい言葉を連呼しながら、きっと逃げ出すだろう。
 アーメン一回では足りないような気がするから、アーメンアーメンアーメンと三回ぐらい叫んでしまいそうだ。
 そうすると、なんとなくラーメンのようではある。
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by rotarotajp | 2009-05-12 08:30 | 私事