日々是勉学


by rotarotajp
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<   2008年 04月 ( 7 )   > この月の画像一覧

読書

 ある雑誌を読んでいたら、世界で最も好かれている文学本の筆頭に「ドン・キホーテ」があげられていて驚きました。異邦人や天路歴程、星の王子さま、武器よさらば、をおしのけての一位です。
 ドン・キホーテの内容の多くは、当時流行していた騎士道物語のパロディだといわれています。ところがその騎士物語の元本は失われてしまって、ドン・キホーテが本来含んでいた意味が現代ではわからなくなっています。
 例えていうならチャップリンの「独裁者」だけが残って、チャップリンが揶揄したヒトラーその人に関する知識が失われてしまったようなものでしょう。
 出版当時、大勢のフランス貴族がスペインを訪れ「貴国がうらやましい。貴国には、あのセルバンテス氏がおられる」と、賛辞を惜しまなかったのだそうです。
 ところが肝心のスペイン人は、ほとんどセルバンテス氏を評価していませんでしたので、せっかくの賛辞に怪訝な顔を返すだけでした。
 スペイン人読者にはセルバンテスの意図が明白だったのに、他国の人間にはそれが通じていなかったのです。現代のわたしたち同様、当時の外国人は、セルバンテス氏が笑いで縁取ったスペイン騎士文学の、その輪郭だけを見ていたのでしょう。
 色々な意味でドン・キホーテは幸運な作品なのだと思います。
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by rotarotajp | 2008-04-28 17:20 | 私事

フロイト書簡

 フロイトとアインシュタインの公開往復書簡「人はなぜ戦争をするのか」(1932年ウィーン)を読みました。
 アインシュタインの32年といえばアメリカ亡命の年です。

 フロイトは全ての人は偽善者であるという立場から、この書簡の内容も極めて悲観的です。哀れを誘うのは、それでも最後に「戦争はなくなると期待するのはユートピア的な希望ではないのかもしれません」と、どこか無理に自説を曲げたような一節を挿入しています。(理屈は勿論通してあるのですが・・・)

 七年後には再度大戦が勃発し、選りにも選ってこの書簡の相手であるアインシュタイン博士はルーズベルト大統領に核開発の可能性を示す書簡を送付(1939年8月)。
 やがてユートピア的もなにも、核の冬の恐怖に支えられた涅槃の平和が来るわけですが・・・それは後の話です。

 フロイトは大戦開始と同じ年、同じ月(ドイツ軍のポーランド侵攻は9月1日)。
 1939年9月23日、亡命先のロンドンで安楽死を選択し、亡くなりました。
 83歳だったそうです。1923年以降、30回以上も苦しい手術を受けた後、だそうですから、とにかく強靭な人だったのでしょう。その人も世界が崩壊するその時には、もう生きる気力を失ったのでしょうか?
 偉大な知識人には痛みと戦い続けた人が沢山いますね。たしかに身体に痛みがあると、とても謙虚になれますが(ホントはなりたかないですがね)・・・それを思索に結びつける精神力を、彼らはいったいどこから汲み出しているのでしょう・・・?モンテーニュなんかも結石の痛みにもだえながらエセーを書いたそうですが・・・
http://www.freud.org.uk/fie5.html

 フロイト博士の書簡の途中に

「文化的な発展度が低い民族や、一国民でも発展が遅れている層のほうが、文化的に洗練されている人々よりも、高い人口増加率をしめしています。このプロセスはある種の動物の家畜化のプロセスになぞらえることができるかもしれません」

と、いう文があって、これは現代のPCの基準ではアウトでしょうが、先進国における人口の減少をいっているようで面白いですね。
「家畜化」という言葉がとても現代的です。
 もっとも人種論者はこうした科学の議論を踏まえて、悪貨が良貨を駆逐すると称し、「発展度が低い」「発展が遅れている」人々を虐殺する民族浄化を行ったのでありまして、それによってユダヤ人のフロイトは亡命せざるを得なくなったわけですから、軽い皮肉を感じます。

(光文社古典新訳文庫「人はなぜ戦争をするのか~エロスとタナトス~」中山元訳)


 皮肉といえば「メルヒェンの起源」という本を一緒に読んでいて、そこに「嘲笑から皮肉へ」と、いう人間の心の動きを解説した文がありました。
 フロイトの本を読みながらも、なぜか「笑い」の位置はどこにあるのだろうといったことを考えていました。

 ロタが読んだものに限って言えば、フロイト博士を支配しているのは経典の民らしい二元論です。悪魔も元は天使だったというキリスト・ユダヤ教圏か、グノーシス派かゾロアスターの残り滓か「そんな人だよなぁ、これは」と思いながら、観察者も人間である以上、こういう形の学問というのは成り立つのかしら?とも思いましたが、現代ではこの学問、もっと洗練されているのでしょう。
 戦争と精神というテーマでいえば、以前読んだ「戦争における人殺しの心理学」の方がずっと面白いです。


覚書:

 先日、慶派の仏師の方がテレビの番組で「少し天狗になれ」という口伝を先生から授けられた、とおっしゃってました。ようするに「俺はだめだ!こんなものをつくっていては・・・」と思い続けていると、よい仏様がつくれない。少し天狗になって「どんなもんだ、俺はすごいんだぞ」と思いながらやるのがいい。のだそうです。目から鱗が百枚ぐらい落ちました。自分のものは欠点ばかりが目立って、鬱になりやすいですものね。・・・・でも「少し」が味噌なんだろうなぁ・・・これはこれで難しそう・・・
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by rotarotajp | 2008-04-25 01:39 | 私事

 Rotaは数度馬に乗ったことがあります。
 最初の馬はおとなしい農場の牝馬で、それでも近くによると見上げるようなその巨体に恐れをおぼえたものです。
 二度目以降は乗馬教室の馬で、おそらく賢くて温厚な馬だったのでしょうが、残念ながら特に関心を持つには至りませんでした。

 歴史上、もっとも名高い馬といえばプケファロスでしょう。アレキサンドロス大王の愛馬といわれています。世界を征服した馬ですね。
 もっとも日本人には楚王項羽の愛馬、騅の方が馴染み深いでしょうか。
 味方の士気を落とさぬため、英雄エルシドの亡骸を乗せて戦い続けた馬バビエカも有名です。バビエカは元々「愚か者」の謂だったとか。
 ナポレオンの灰色馬の名はマレンゴ。アルプスのサンベルナール峠を越すその勇姿が絵画に残され、つとに有名であります。もっとも理想化されたナポレオンの姿同様、だいぶ脚色されているのでしょうが・・・。今は哀れにも皇帝の敵国、英国のThe Natural Army Museumに骨格標本として展示されています。
http://www.national-army-museum.ac.uk/exhibitions/changingTheWorld/page2-1.shtml ちなみにマレンゴの骨格標本の一個下は、ワーテルローでウェリントン公の軍団に所属したHenry Paget将軍の足を切ったノコギリだそうです。将軍は自分が手術を受けた農家のテーブルを後で息子二人と探し出し、そこで晩飯を食ったのだとか。
 さて、印象深い馬といえば、これはフクションですが、ロシナンテは外せません。かの郷士ドン・キホーテ・デ・ラマンチャの愛馬です。見るも無残な骨と皮だけの駄馬、ひずめもヒビだらけ、遍歴の騎士を背に乗せて、えんやこらと千里の旅。
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by rotarotajp | 2008-04-22 23:00 | 私事

近況

 やっと一区切りついて「灰になった・・・」と、思ったらもう次です。時間が立つのがやたら早い。
 時間というのは不思議ですね、ゆっくりのような、早いような。
 このところは字を見るのも嫌、という気分が続いていて、本なんぞ一冊も読んでいません。日々是勉強の看板が泣きます。
 ついでに全身筋肉痛・・・・イテテテ
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by rotarotajp | 2008-04-18 20:56 | 私事

石頭

あいも変わらず石頭状態継続中。
猛烈な気分転換でもしなきゃ駄目っぽいけど、とりあえず打つ手なし。
株は数百円単位で上がったり下がったり、そのうち暴落でもするんじゃないかしら。
今週あたりから要注意ですな。
それに首相に一言。
「物価が上がるとかいったようなことがあるが、しょうがない事はしょうがないので」
って・・・せめて虚勢でもいいからインフレ対策検討中といっておくんなまし。
これじゃインフレ誘導してるのと一緒ですがな。
まあ、円安にしたいのだろうけど・・・・
本当に妖怪ぬるりひょ(ry
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by rotarotajp | 2008-04-14 18:45 | 私事

本日

 嗚呼、なんかこうギリギリな気分が数日続いております。どうもいかんですね。目の前がすぐ壁。頭の中に丸太が入ってる感じです。これスコンっと外して柔らかい脳みそに入れ替えたいですねぇ。
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by rotarotajp | 2008-04-08 18:39 | 時事

フィトナ

 世をにぎわせているショートムービー「フィトナ」を見ました。
 イスラムに対する意見を15分前後にまとめて表明したもので、過激派のテロによる残虐な場面が多く含まれます。もともとテレビ向けにつくったそうですが、各局に放映を拒否され、投稿動画サイトで公開することにしたそうです。
 最初この動画を流した投稿動画サイトLiveLeakは従業員に深刻な脅迫があったとして動画を削除。
(今は検索すれば色々な場所ですぐ見ることが出来るようになりました)

 問題なのは過激派から製作者のオランダ人政治家ワイルダースに死刑宣告がでたというニュースです。動画の中で紹介されているように、以前やはりイスラムに批判的であったテオ・ファン・ゴッホ氏が路上で刺殺されています。

 ところで日本では映画「靖国」が上映できなくなったという話を聞きます。(今日のニュースでは上映場所が決まったのだとか・・・)内容はともかく、表現そのものは自由であるのが好ましく、暴力や騒動を恐れて表現の場を自主的に規制してしまうというのは、表現の自由の自殺に他なりません。
 ただし、蛇足ながら、これについてはもう一点。
 上映妨害などすれば、かえって逆宣伝になるのは自明のことです。それに「日本では上映できなかった」は、海外で稼ぐにはもってこいの看板になるでしょう。マイケル・ムーア監督の「911」が「禁じられた映画」として米国外で大ヒットを得たのと同じ構図です。「靖国」については、もしかしたらそんな広報作戦があったのかもなぁ、と少しは思います。だって問題にするほどお客が入る映画とはとうてい思えませんもの。

 話を元に戻します。

 「フィトナ」に過激な反応を見せている一派の意図もきっと同じです。
 彼らの本当の目的は、言論の封殺ではなく、憎悪を煽ることです。
 インターネットはヘイト・グループ最大の武器と呼ばれて久しいですが、この事件も後世インターネット発展史の一ページとなって世の人の記憶に残るのではないでしょうか。
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by rotarotajp | 2008-04-03 19:12 | 時事