日々是勉学


by rotarotajp
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フレンツェ名門貴族の処世術

という本を読み直したが、やはり前回の一読後の感想同様、すこぶるつきで面白かった。
ルネッサンスの政治家の処世術というより、ニューヨーク・マフィアのボスの家言集といった雰囲気のある、現代性にあふれた内容だ。セットで君主論も持ち出したが、「処世術~」の方を先に読んでしまった為、マキャベリの「書き方」がやたらと書生臭く、こちらは途中で読む気が失せた。
「処世術~」の著者は、他に大作「イタリア史」をモノにしたが、その一生の基調は政治・外交家であったようだ。「処世術~」訳者の解説に、著者「グィッチャルディーニ」は~メディチ家の法皇の「手下」となり、フレンツェの共和制にとどめを刺して、晩年はメディチ独裁の強化に尽力した~といったような、経歴の説明があった。
ドキっとする箴言めいた言葉が随所にある・・・・どの程度「ぶっ飛んでいる」かを示すものとしては・・・・ううう・・・・例えば・・・
ルターに関する記述はこうだ。
「当然の事であるが、私はこれまでずっと教会領の破滅を願ってきた。しかし運命のしからしめるところによって二人の法皇につかえ~もしこういうことがなかったなら、私自身よりもマルティン・ルターを愛していただろう~ルター派の連中が、坊主共の悪逆な専制を粉砕してくれるか、すくなくともその翼をもぎとってくれることを期待しているからである」
もっと穏健なことを言って、生きたまま火あぶりにされた者が大勢いる。それにこの著者は本人の記述通り、実際には二人の教皇に仕え、教皇権の、つまりは「悪逆な専制」の強化に奔走した人物なのである。
これ以上本の内容を引用するのは手間だから、他の部分は「とにかく面白かった」と書くに留めよう。講談社学術文庫から出版されている。定価は税別920円。訳者は永井三明先生とある。
個人的にはリコルディC118「名誉心」の台詞が好きだ。これだけカッコイイ空虚な本はまたとない。とりわけ将来「ボス」になりたいのなら、これは必読の書だ。
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by rotarotajp | 2005-08-31 20:24 | バロック