日々是勉学


by rotarotajp
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

残暑

d0052110_15404457.jpgルネッサンスの頃でありますが、ある傭兵隊長の奥方が浮気をしました。奥方は名家の出身で、なかなかお美しい。身分の低い旦那をマスオさん扱いしている。傭兵隊長だから留守も多い。その隙に奥方は間男をベッドに引っぱり込む。万が一密会がバレても、たかが傭兵風情が自分に手でもあげようものなら、里の縁者が黙っちゃいない、と、そりゃ舐めてかかっている。ところが旦那は家では優しい能天気者ですが、外では生き馬の目を抜く傭兵隊長。一旦妻の浮気に気付くと、出かけると見せて取って返し、ベッドの間男を一刀両断。奥方は縛り上げられて、歯を一本一本引き抜かれる。殺してしまっては証拠が残りますが、旦那は大層な知恵者。奥方を生きたまま分厚い壁の奥の空間に塗りこめて、そのままトンズラする。すぐには死なないように、奥方の目の前に水とパンが置かれる。神様の前でも「殺していない」と堂々と告白できます。後日、奥方の縁者が探しに来ても、そこには無人の城があるばかり。あるいは奥方は暗い壁の奥でまだ生きていたかもしれませんが、無論、奥方の痕跡は発見されません。これがまあ、典型的なルネッサンス・ホラーであります。(出典は知りませんが実話だそうです)
イタリアの古城にはこの類の怪談が結構ありまして、会食の間に槍が埋まった落とし穴があるとか、誰それを突き落とした塔でありますとか、奇天烈な器具を揃えた拷問室、階段のない地下牢獄、なかなかロマンティックであります。そういえば、かの魔術師カリオストロ伯爵を閉じ込めた牢なども、扉は漆喰で塗りつぶされ、壁には食事を差し入れる小さな四角い穴。天井に出入り口がある奇妙な造りでありました。
[PR]
by rotarotajp | 2005-09-19 15:42 | バロック