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日々是勉学


by rotarotajp
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科学

Alexander Popeの詩に、Newtonの功績を讃えた一篇があります。

Nature and nature's laws lay hid in night
God said, Let Newton be and all was light

例によってRotaの超訳を一応添付しておくと以下
「自然とその法則は夜の闇に隠されていた。神はいわれた。「ニュートンよ、あれ」と。すると全てが光の中にあった」

(訳、といえば最近ある週刊誌を読んでいて知ったのですが、「鉄仮面」「岩窟王」「ああ無情」などの訳出で有名な明治の作家、黒岩涙香は、最初にざっと原作を読み、後は原文を参照せずに一から文章を創作したんだそうです。まさに大胆不敵な超訳!)
なにゆえニュートンなのかと申しますと、ずっと話題になっていた某教授によるES細胞に関する論文内容が虚偽であったとの発表があったからです。ソウル大学の調査委員会は「科学の基盤を傷つける重大な行為」(共同通信)と評価しました。最近は主要な雑誌に発表される論文に、このような捏造が珍しくないとも聞きます。理由は様々で、研究費確保の為であったり、出資企業の業績に配慮したものであったり、単に名誉欲からであったりもする。耐震強度捏造と同様、誰の為にもならないことで、高度競争社会の歪みというべきものでありましょう。こうした捏造によって、多くの有能な頭脳と資金が本来の「道筋」からそらされてしまう。Pope風に評せば「自然を闇に閉ざす」行為といってよいかと思われます。科学を志して、まさか最初から捏造による名声を求める人もありますまいから、例の設計士殿の言い草ではありませんが、人というのは本当に弱いものです。
「人間は本来恐れなければならないものをなかなか恐れようとせず、期待してはならぬことを期待する」(講談社学術文庫:フィレンツェ名門貴族の処世術:永井三明著)
by rotarotajp | 2005-12-23 17:32 | 時事